100年前の関西の建築 1915年 その1 難波橋
2015年 05月 22日昨年、1914年に建てられた建物を紹介していましたが(カテゴリ:100年建築)、
今年も同様に100年前、1915年に建てられた建築物を紹介していきます。
1915年竣工、宋兵蔵の設計の難波橋。
ライオン像が橋の親柱に鎮座するこの橋は大阪の中之島のあたりの橋のなかで、
一番よく知られている橋ではないでしょうか。
1975年に架替えられましたが、装飾部分は以前のものだとか。
水の都・大阪にこうしたクラシックな装飾の橋が合いますね。
強そうな阿形のライオン
でも後ろ姿がかわいくて、尻尾の向きも阿吽で違っていました。
OSAKA生涯学習情報誌『いちょう並木 2015年4月 389号』掲載の
「おおさかKEYわーど 大阪を知るための 100 の言葉とモノの世界」の連載でも
難波橋が取り上げられ、表紙には森琴石の「難波橋渡り初め図」の下絵の一部が掲載されていました。
この森琴石の下絵が気になって調べてみたら、
橋の長寿を願って東区、北区から老夫婦二組が代表で渡り初めをした際を描いたもので、
その渡り初めはまさに、100年前の今日、1915年 5月22日のことでした。
橋の渡り初めは橋の完成を祝って初めてその橋を渡ることですが、多くは高齢の夫婦、
または3代の夫婦がそろっている一家を先頭にして行うものだそうです。
難波橋の渡り初めには大勢の人が詰め掛け、裃に打ち掛け姿の両夫婦が歩く姿に喝采が幾度も起こったと新聞は伝えています。
人々は新しい橋や親柱のライオン像をきっと誇らしい気持ちで見つめたことでしょう。
100年前の出来事がありありと浮かぶような気がしました。
by quatrefoil-window
| 2015-05-22 18:00
| 100年建築